認知行動療法のよいところ
2023年01月13日
認知行動療法の良いところのひとつは自分のことを客観的に観察できるようになることかなと思います。認知行動療法のモデルでは,ある出来事や状況のときに,『自動思考(認知)』が生じ,感情や行動,身体反応が起こると捉えます。例えば,同僚に挨拶したのに無視されてしまった!というときを想像してください。Aさんの自動思考は「私は嫌われている?!」,Bさんの場合は「自分の声が小さかったから聞こえなかったのかな?」,Cさんは「昨日(同僚に)何かあったのかな?」,というように人によってその出来事から生じる思考は様々です。そういう自動思考を明らかにすることで自分のパターンを理解することができます。客観的に捉えることができるようになると,いつも悩まされていた出来事が『ああ,いつものパターンだな』と一歩離れて眺めることができるようになります。認知行動療法ではまず今の『困りごと』を一緒に観察して見える化(外在化)するところからスタートします。